名言これくしょん

漫画の名言中心に、グッときた言葉とあれこれ感じたことの備忘録です

今のおれを作っている「かけら」(『夏目友人帳』の名言)

これまた、私の大好きな漫画のひとつ
夏目友人帳』 緑川ゆき花とゆめCOMICS
アニメ化もされている人気作なので、ご存知の方も多いですよね。

11巻に収録されている、第46話に出てくるセリフです。

 

さて、まだ読んでない方のために、情報少なめに説明しましょう。

主人公の夏目(男の子)は、妖怪が見えてしまう高校生。
今はおだやかな暮らしをしていますが、実はとても悲しい過去の持ち主です。

そんな夏目に、たちの悪い妖怪が憑りついてしまい、取引を持ちかけます。


「悲しい記憶 食べてあげる きっと楽になる」…と。


そして、夏目は答えます。


「…確かに 痛い記憶だけど
 …今のおれを作っている かけらでもあるんだ…」

 


人を、1枚のパズルだとしましょう。

一生の中で、少しずつピースを集め、形づくっていく――

もしそのピース全部が、全て同じ形で、同じような色をしていたら…

ただの「ベタ面」ですよね。
何のおもしろみもなく、物語性もない。

 

多彩な色や形があってこそ、
誰のものとも違う「あなたのパズル」が完成するんです。


現実の、美しい風景画のパズルにも
真っ黒でいびつな形のピースが混ざっています。

というより、その美しい絵を描くために、必要なんです。

 

もし今、悲しい思い出・つらい思い出にとらわれている人がいたら。


その記憶はもう、「あなた」を作っている「かけら」のひとつです。

こんなもの、なければいい、消えればいい、と思わないで
あなたというパズルのなかに、ちゃんと収めてあげて下さい。


嫌な思い出に心をとらわれると
それを悲しいと思う思い出、つらいと思う思い出、を新たに作ってしまいます。

あなたの嫌いな色のピースが増えてしまいます。

 

その黒いピースも、あなたの大事な「かけら」です。

ぎゅっと抱きしめて
「いつか、これで綺麗な絵を描くんだ」と、思って下さい。

 

そして、いろんな色のピースを集めて増やしていきましょう。

黒いピースを捨てることなく、

必要な「かけら」に変えるために。

  

11巻で、夏目が昔の悲しい思い出を消そうとしなかったのは――

もし、その「かけら」を失くしてしまったら
自分が自分でなくなるから、というだけでなく

周りにいる人たちの優しさに気付けなくなるから、だったのでは…と思います。


作者さんの人柄か、とてもやさしい気持ちになれるお話しがたくさんあって
ちょっと心がカサカサ・ギスギスして痛い時に読み返したくなる漫画です。

ニャンコ先生も可愛いので、超おすすめです(*^▽^*)

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